玉野だより

『玉野だより』 2019.03.24【海辺の松(出崎4)】

投稿日:

この日はこの浜では4回目の描画。上の道から、下の浜に下りる小さな隙間の道の手前でイーゼルを立てた。この時期は、手前の草が枯れ色なので、松の緑が目立つ。晴れた日の、光の当たったコントラストと、各々のパーツの色の組み合わせが絶妙だ。だが、イーゼル画で極力排除しなければならないのは、眼前のモチーフに対する、自我の感情、感覚にとらわれて、ついついそれを描こうとすること。このことは、かつての私のフォービズムの時代に、画面がどんどん描写から表現主義的な方向に向かってしまい画の行き先を見失った経験から学んだ。

眼を独立させて、淡々と自分の視線をキャンバス上に変換していくことが現場での態度で、これは歴戦の勇士が戦場でも平常心を保ち、泣いたり、笑ったり、パニクったりしないで的確な判断を下すことと同じだ。

この日は日曜日なので、入り口のゲートは閉まっている。国立公園なのにいつもながら腹立たしいが、ゲートからこの場所まで歩いて来た。帰りは、出崎で知り合った中野省吾さんが、描き終わったころ通りかかったのでゲートまで車で送って貰った。

-玉野だより

執筆者:

関連記事

『玉野だより』2018.07.03【アジサイと猫のいる庭】

  朝雨が降っていたので、王子が岳に行くのを諦める。朝食と、洗濯など雑用を済ませた後、一階の廊下から、昔、歯科医院だった時からあった『マザーズ』の庭を描いた。昔の池には水はない。石の上の黒猫 …

『玉野だより』2018.06.16 【葛島(2)】

この日は、葛島のもう一つのポイント、前景に昔からある自然の岩を入れた場所にイーゼルを立てた。小さな舟だまりの堤防の上なので、イーゼルを立てるには狭く、キャンバスを対象と同時に視界に入れる角度には置けず …

『玉野だより』2018.09.28 【瀬戸内夕照(2)】

この作品は、午前中の快晴に続いて午後も快晴のため、落日間際の瀬戸内風景を描きに、急遽、4時頃タクシーで(明見君とは連絡つかず、中川さんは都合がつかなかったため)王子が岳に出かけた。イーゼルを立てた場所 …

『玉野だより』2018.10.03 【王子が岳風景(22)】

この日は、ニコニコ岩の海側でイーゼルを立てた。ここは、描くのは9月24日に描いた〈王子が岳風景(17)〉以来の2作目だ。まだ、数点描く場所がある。朝から快晴で、太陽の方向の海も光っている。空も海も青く …

「玉野だより」 2018.09.13【王子が岳風景(12)】

2018年9月13日、王子が岳にて 今回の玉野滞在は9月11日から10月7日までであったのだが、前回の王子が岳に続いて今回もまだ、王子が岳にイーゼルを立てた。まだまだ描き残している場所は多く王子が岳の …