玉野だより

『玉野だより』2018.12.05 【波張崎風景(3)】

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この日は、波張崎の先端にある、江の浜港の堤防から、海浜の風景を描いた。

子供の時から獺越鼻(おそごえ)や渋川でよく見ていた、瀬戸内でありふれた海辺の景色だが、明るいオーカー色の崖と、白砂の浜と、緑の植物と海の組み合わせは、絶妙だ。子供の時に、一時髪を刈っていた竹田理髪店に、瀬戸内の海浜の油絵がかかっていたことが記憶に残っている。こんな過去の記憶も、この風景に出遇う縁の、微細な一因となっているのであろう。

江の浜港は先端にある工場の横の狭い道を通るので、港があることもほとんど知られていないが、私は玉野に来る前に、パソコンの地図を検索してこの場所を見付け、こうやってイーゼルを立てている。

大道(たいどう)は無門で誰にでも開かれているけれども、その関を通るのは、修行が必要だ。一点のタブローが完成するまでには、何桁もの素数のコードナンバーを揃えなくては現成(げんじょう)しない。
人は、老いるとイイこと言うねぇ。

 

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