玉野だより

『玉野だより』 2019.03.14【出崎風景(9)】

投稿日:

この日は、昨日描いた崖に、グッと距離を近付けてイーゼルを立てた。南面の崖は陽が当たると明るく光を反射して美しい。この岩が風化して、浜の白い砂になるのだが、東伊豆のごろた石の浜と、石の性質が違って、硬さも色も異なる。石としては品質が落ちるのだが、画家の目からは明るいオーカー色の砂や崖の方が描写しやすい。

天気もよくて、光を描くために、イーゼルを外に持ち出した印象派の画家達が、光が反射して、眼前の空間が光に溢れている風景に出遭った時の喜びと、その前にイーゼルを立てて筆を走らせる充実感は、この時の私と同じだろう。まさに三昧境だね。

でも、本人が幸せな時間を過ごしても、描いている絵が良くなるとは限らないので、クリアな目で、眼を独立させて描写に徹しなければならない。歴戦の勇士の、戦場での判断、行動と同じだ。

-玉野だより

執筆者:

関連記事

『玉野だより』 2019.01.28【海辺の松(出崎2)】

この日は、車で入れる出崎の最奥から、細い道を通って宇野側の小さな浜でイーゼルを立てた。この浜ではもう、何点か描いたが、今回の訪玉以前に予定していた、波張崎の松が、無くなって描けなかったので、この浜の岩 …

『玉野だより』 2019.03.18【出崎風景(11)】

この日は、出崎のいくつかある浜の、私が子供の時に三井造船所の社宅の子供会で海水浴に行ったことのある浜の、入江を見おろす道の端にイーゼルを立てた。出崎はリアス式海岸で、白砂青松の風景が入江ごとに開けるの …

『玉野だより』 2019.06.04【奥迫川風景(2)】

この日は、この小さな谷筋の最奥の、今はもう歩けないが、以前は玉野市の児島地に抜ける山越えの道の、かろうじて残っている場所にイーゼルを立てた。以前に描いた番田の石積みの水門のように、今はもう耕作していな …

『玉野だより』2018.09.28 【瀬戸内夕照(2)】

この作品は、午前中の快晴に続いて午後も快晴のため、落日間際の瀬戸内風景を描きに、急遽、4時頃タクシーで(明見君とは連絡つかず、中川さんは都合がつかなかったため)王子が岳に出かけた。イーゼルを立てた場所 …

『玉野だより』 2019.06.18【迫川大池の水門(1)】

この日は、前回描いた迫川大池の土手の上から、池に向かってイーゼルを立てた。迫川大池はこの谷筋の最下段の池でそのため溜池としては大きい。この池の上に、連続してもう一つ池があるが、その池の白い水門が目に引 …