玉野だより

『玉野だより』 2019.03.24【海辺の松(出崎4)】

投稿日:

この日はこの浜では4回目の描画。上の道から、下の浜に下りる小さな隙間の道の手前でイーゼルを立てた。この時期は、手前の草が枯れ色なので、松の緑が目立つ。晴れた日の、光の当たったコントラストと、各々のパーツの色の組み合わせが絶妙だ。だが、イーゼル画で極力排除しなければならないのは、眼前のモチーフに対する、自我の感情、感覚にとらわれて、ついついそれを描こうとすること。このことは、かつての私のフォービズムの時代に、画面がどんどん描写から表現主義的な方向に向かってしまい画の行き先を見失った経験から学んだ。

眼を独立させて、淡々と自分の視線をキャンバス上に変換していくことが現場での態度で、これは歴戦の勇士が戦場でも平常心を保ち、泣いたり、笑ったり、パニクったりしないで的確な判断を下すことと同じだ。

この日は日曜日なので、入り口のゲートは閉まっている。国立公園なのにいつもながら腹立たしいが、ゲートからこの場所まで歩いて来た。帰りは、出崎で知り合った中野省吾さんが、描き終わったころ通りかかったのでゲートまで車で送って貰った。

-玉野だより

執筆者:

関連記事

『玉野だより』2019.01.27 【出崎風景(丸山1)】

この日は、出崎の車で入れる最奥の、山田側の浜辺でイーゼルを立てた。丸山という砂州で繋がった島で、室町時代に城があったという、本当かどうかややあやしいげな石碑が立っている。この石碑の由来や、立てた人物の …

『玉野だより』2018.11.17 【波張崎風景(2)】

前日に続いてこの日も晴れ。瀬戸内は晴れの日が多いので、外光派の画家は助かる。 この日は、前日と同じ小さな砂浜で、同じ景色を、距離を少し引いてイーゼルを立てた。 絵の左側から廻り込んでこの浜に来たのだが …

『玉野だより』2018.12.09 【玉比咩神社の松(1)】

この日は、自転車にジュリアンボックスを後ろかごにしばり、前かごにキャンバスをのせて、アトリエの近くの、玉比咩(たまひめ)神社の大岩の間に生えている松を描きにでかけた。この岩は、神社の境内にあって、神社 …

「玉野だより」 2018.09.18【王子が岳風景(14)】

この日は、王子が岳の駐車場に一番近い、例の東屋の近くにイーゼルを立てた。視角の狭い、近景の場所なので、F10号の縦構図で描く。視覚の狭い、近景の絵は静物画と状況が似ているので、たまに描くと新鮮で目が洗 …

『玉野だより』2018.11.25 【葛島昇陽】

この日は、車の現場への送迎の都合がつかなかったので、朝、7時頃葛島を描きに、自転車で玉港に向かった。葛島はもう2点描いているが、今回は、葛島の真上に太陽がある構図がねらいだ。前日、中川さんの車を廻して …