玉野だより

『玉野だより』 2019.01.24【波張崎風景(3)】

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この日は、前回11月16日の訪玉で見付けていた、岩場に生えている松を描きに、胸上の波張崎に出かけた。この場所は、干潮時でないと行けない場所なので、今日まで待っていた。

海浜を回り込んで現場に着いてみると、その松がない。盆栽か庭木に誰かが取っていったらしい。こんな、誰も知らない場所に生えている松を、僅かの差で描き逃してしまった。前回、描いておけばよかったのだが、潮が合わずに現場に行けず描けなかったので仕方がない。すぐにオプションをさがす。

この場所では3点目だが、持っていったキャンバスがF10号だったので、近くに寄ってイーゼルを立てた。描き終わって絵の道具をかたずけお茶を飲んで一服しようとすると、潮がヒタヒタと満ちてきている。急いで岩場を回り込んで、迎えの場所で、電話をして一服した。

予定していた松がまだあって、描いていたら。その場所は次の岩場の上にあるので、帰るのに苦労するかも知れなかった。常にベストを尽くしていれば、「前回あの松を描いていれば良かった」という後悔も生まれない。私は、常に、今も前向きの老画家なのです。

私が以前作ったアフォリズム。

「魚はいつも上流に顔を向けて泳ぐ」

「ライオンは風上に顔を向ける」

「鮭は死ぬ前に川を昇る」(『芸術の杣径』より)

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